下痢は「悪者」じゃない? ~愛犬・愛猫のうんちから分かる“体の防御サイン”
「急に下痢をしました!」
動物病院で最もよく聞く相談の一つです。においや後片付けの大変さもあり、早く止めてあげたいと思うのは当然ですよね。
でも実は、下痢は体が自分を守るために働いている“防御反応”のひとつ。
必ずしも「病気=悪いもの」というわけではありません。
■ なぜ下痢が起こるの?
腸は“栄養の入り口”であると同時に、“体の防衛の最前線”でもあります。
自然界では、動物は加熱も加工もされていないものをそのまま食べます。栄養だけでなく、雑菌や毒素など“望まないもの”が入ってくることは当たり前。そのため腸は、危険を察知すると次のように動きます。
- 刺激物や毒素を流し出すために、腸の動きを速くする
- 水分を多く分泌して、吸収をストップする
これが“下痢”です。
言い換えると、「これは危ない、すぐに外へ出しなさい!」という指令なのです。
■ どんな下痢なら様子見できる?
次のような場合は、多くが体の防御反応として自然回復が見込めます。
◎ 元気・食欲がある
◎ 下痢が半日〜1日で落ち着いてくる
この場合、むやみに下痢止めを使うと、排出したいものが腸内に留まり逆に治りが遅くなることもあります。
■ 受診をすすめるサイン
次のようなサインがある場合、体の負担が大きかったり、腸に炎症・損傷がある可能性がありますので、受診して獣医師の判断を仰ぎましょう。
- 2日以上下痢が続く
- 元気や食欲が落ちていたり、体重が減っている
- 嘔吐が何度も続く
- 血便・黒いタール状の便が出た
- 軟便が長期間続いている(数週間〜)
特に、ぐったりしている場合は早めに受診してください。
■ 「下痢体質」は変えられます
“うちの子はずっと軟便で…”という相談もよくあります。
そんな場合は、腸がいつも敏感になっている可能性があります。
改善のポイントは3つ。
① 食物アレルゲンを特定する
特定のたんぱく源や添加物が“炎症の火種”になっていることもあります。
② 腸内フローラを整える
良い細菌バランスは腸粘膜を守り、防御反応を落ち着かせます。
③ ストレスや他の臓器との関係もチェック
腸は脳や腎臓と連携して働きます。ストレスや全身の不調が下痢の原因になることも珍しくありません。
■ 逆に「まったく下痢をしない」は大丈夫?
実は、これも少し注意が必要です。
- 本来排出すべきものを排出できていない
- 腸の反応が鈍くなっている
そんな可能性もゼロではありません。
理想は「必要な時だけ適切に反応し、普段は落ち着いている腸」です。
■ 下痢は“体からのメッセージ
症状は、体の働きを知らせるサインです。
下痢を敵視せず、「今、体がどういう状態なのか?」を読み解くきっかけにしてみてくださいね。
うんちの質や消化器の不調で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
症状を抑えるだけでなく、食事・腸内環境・アレルギーなど、根本からサポートしていきます。

下痢と体の防御反応について、
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